図書館で何となく見つけた本『猫と偶然』(春日武彦著)
を読んでいるのだけれど、この方精神科医で
家庭訪問も数多くなさったよう。
天井裏に何かがいるとか、
毒電波が来るからとベニヤ板を窓に貼ってるとか。
独居老人の女性で猫を飼っている人は多いらしく
結局認知症か否かの判断になるらしい。
天井裏に何かがいるというのは多いのかぁ。
また昔話だが、北海道の親戚を尋ねた時
90歳くらいだったろうか、親族のおばあちゃまがそうであった。
そのおばあちゃまは私の父の叔母さんに当たる。
一人暮らし。娘一家の家もそう遠くはない。
私はその町のホテルを予約していたのだが叔母から
「三七子ちゃん、ホテルキャンセルしておばあちゃんのところに泊まって。
おばあちゃんが変なこと言うのさ。
電器の中に猫がいるっていうのよ」
電器は天井にはめ込み式の蛍光灯、
一晩中一番小さい豆電球みたいのだけつけていて
アクリル板に猫が映るということらしい。
私「おばあちゃん、幻覚が見えるのかなぁ。
さっきも死んだおじいちゃんが来るときがあるから
料理作って出してるって聞いたのだけれど」
叔母さんはその話にはま~ったく驚かず
「おじいちゃんが来るのはいいのさ。(いいのか?)
でも猫は気になるの。もし目に異常があるようだったら
医者に連れてに行かなくてはと思うしね。
とにかく同じ部屋に寝てどんなことなのか見てくれない?」
というわけで同じ部屋に布団を敷いたわけです。
そして深夜「ほら、何かいるだろう?」となり・・・。
私は無い知恵を絞って解決したいと思ったのでした。
朝になって「助けて裏から逃がしてあげた」と話したのである。
これであっさり解決するかと思ったら甘かった。
「どんな猫だった?」(えっ、そんなこと聞かれても・・)
「暗かったからね、たぶん黒っぽかったかなぁ」
「そう、やっぱりね」(ほっ)
「とにかく裏のドアから出したから。もう出ないから」
とドアを開けたのだが、その夜がなんと初雪の日で
逃がしたのに足跡がないわけ。
うっ、まずい。新雪だ。
結局は私の話におばちゃんが合わせてくれて
「そうかい、逃がしたかい・・」
バカだねぇ、三七子は、というお話でした。
おばあちゃんが猫を飼っていたかはしりません。