2022/09/24

すっごいおじいさんと気前のよいおじさま

前回のふしぎなおじいさんに続きまして
すっごいおじいさんと気前の良いおじさまのお話もあるのです。
これも10年以上前の話になります。

友人から御徒町のとある寿司屋のランチが安いと聞き
そちらの方に用事があったので寄ったときのこと。
回転寿司でなく、カウンターで注文します。
一人の職人さんが3~4人のお客さんを担当し握ってくれます。
なんとなくお隣のおじさまと会話が始まりまして
なんでもその方は30代のころから30年以上こちらに通っている。
もう退職されていてお住まいは埼玉とか
とにかく決して御徒町に近くはなかったと思います。
でも月に一度はここに立ち寄るのだとおっしゃっていました。

「ビールお飲みになれるでしょう?」と尋ねられる。
「あっ、いえ、午後これから用事がありますので・・・」
「でもお飲みになれるのですよね?」
「いえいえ、これから行かねばならないところがありますので」
「でも飲めるのですね。こちらにビールお願い」
と、ビールが運ばれてきた。
「それとね、○○作ってくれる?」と注文なさり
本来ランチ時はそういう対応はしてくれないのだが
そこは30年以上のお得意様なのでやってくださったよう。
「これおいしいのですよ。どうぞ食べてみて」
ご馳走してくださった気前の良いおじさん。
(自分の寿司代は払いましたよ、もちろん)

カウンターですので、自然と話をするときに顔を横に
つまりこのおじさまの方へ顔を向けるわけですが
その向こうとなりに、この方も杖をついてましたが
おじいさんがお座りになった。
どうやらこちらもご常連らしく、なんと!
赤身のマグロの握りだけが10個ばかりずら~っと並んだ。
それを端から食べ始め、途中で、なんと!
パカッと入れ歯を外しマグロの横に置いて小休止。
しばらくするとまた口におさめて続きを召し上がり
杖をついてお帰りになった・・・・
びっくりした。すごいものを見てしまった!!

お隣のおじさまと話はずんだというより
その向こうのおじいさんにくぎ付けとなり
横を向きビールを飲み続けていた。
おかげで真っ赤に酔っぱらいまして
午後の「行かねばならないところ」に行かれなくなる。
それは自身のレッスンでして・・・。
店を出てから先生に電話をし
「突然で申し訳ないのですが、急用ができまして・・・」

この店を紹介してくれた友人には
「何度も行ったことあるけれど、そんなこと私一度もない!」
と憤慨しておりました。

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