2020/12/13

下風呂温泉のさつき荘は独自の路線をいっていた

2泊3日の2泊目に泊まったさつき荘ですけれど
この宿について書くべきか書かないべきか悩む。
その理由のひとつにちょっと変わった(?)ご主人から
「書いてくれてもいいが宣伝してくれなくていい」
というのがあったものですから。
ブログは備忘録なのでちょっと書いておきます。
ご主人が私のブログをお読みになるかわかりませんが
こうして下風呂から帰ってから何日か経っても
インパクトの大きかった出会いだったと思うから。

お風呂は最高ですよ。
白濁ですが、以前は日によって黒くなったりしたそうです。


私より10歳くらいはお若いご主人だと思う。
2013年の立ち寄り湯で寄らさせていただいたときも
そして今回も印象としてはちょっとこわもて。
とっつきにくそうだが明るく挨拶をする。
今日の泊り客は私ひとりという。
お部屋とお風呂、トイレなど案内されて
「夕食は下のお食事処にいらしてください」とのことだった。

旅行先での夕食、ホテルだったら外に食べに行くとか
夕食付宿泊は大きなホテルなら併設レストランとか
お部屋出ししてくださるとかいろいろだ。
夕食付きでコンパクトなここのお宿のようなところとか
民宿みたいなところだと
ことに宿泊客が私だけ(もしくは私たちだけ)となると
私ももう何度か体験しているので慣れているが
「宿の方のお話を聞く」ということも
夕食に含まれることがあるのだ。
もちろん相手などしない(してくれない)ところもあったが
それが面倒でお嫌な方はお話したくないモードを
かなり強く出さないとだめかもしれない。
私はま~ったくいやではないので
いつもモグモグ、ふむふむとやっている。

とにかくいろいろ聞かせていただいた。
6時からスタートして「ごちそうさまでした」
と部屋へ戻ったのが8時半過ぎていたのだから。

このお宿は、というかご主人は先にも書いたように
ちょっと偏屈なところがある。
温泉郷が力を入れる鮟鱇まつり(今年の広告)に参加しない。
旅行サイトにも登録していない。
もちろん go to なんてやっていない。
もっとひどいことには(失礼っ!)年末年始も閉めてしまう。
(今年はどうかわからないけれど過去はそうでした。
 違っていたらごめんなさい)
欲がないといえばそうなのかもしれない。
ご本人曰く「一日2部屋お客さんがあればいい」
それはご主人一人でやっておられるからだが
それで「たまにパチンコへ行かれればいい」と。


写真でもお分かりと思うが、作りにもこだわりがありそう。
でもご本人はそうはおっしゃらない。
こだわりの作りのせいかはわからないが
バリアフリーなんかにもなってなく
2階へあがる階段も(ちょっと急かな)と感じたし
お風呂へ行くのも大変だから
足腰がしっかりしてないと宿泊できない。
そんなお宿です。

ただずっと話を伺うとわかるのだが
下風呂愛は大きいのですわ、この方。
ちょっと怖そうなので
気後れしてしまうお客さんもいるだろう。
しかしご主人はたぶんすっごくシャイで
あちらもお客さんを探っているのかもしれない。
彼自身が下風呂を愛しているのはもちろん
いらしてくださるお客さんが下風呂を愛してくれるか。
それを重要に考えておられる印象がした。
最たる発言は
「また来てください。うちに泊まらなくてもいいけど
 下風呂好きならまたいらしてください」

翌朝のチェックアウト時、どちらへ行かれるかと聞かれた。
八戸から新幹線なので、その前に○○に寄ると返答した。
「そこでサバ、食べられるといいですね」
しんどい長距離運転をしながら思った。
(偏屈で面倒な人だったな、嫌いじゃないけど)
ようやく昼頃目的地に到着したらなんと定休日だった。
サバも食べられず、それどころか新幹線まで
2時間近くどうしていいか途方にくれ
彼にどうしようとメールした。
残念なことにリアルタイムで返信はもらえなかったが
新幹線に乗る直前に返信が届いた。
それには
「これは又下北へ来てと言うことだと思います。
 トラブルのある旅行も楽しんで」
とあった。
この文面を読んで、私は彼のこと嫌いじゃない、
いや、むしろ好きになった。 

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