2025/02/12

お墓参り

父の命日も近いので池上本門寺へ行ってきた。
父の墓の側に幸田露伴・文子の墓があるのでこちらもお参りした。
私が多くの人にお薦めする本の一つに
幸田文の娘、青木玉著『小石川の家』がある。
親にきちんとしつけられてこなかった私には
ひとつひとつがシャキッとするエッセイで
初めて読んだときの自分のオロオロさが忘れられない。
祖父である幸田露伴が孫娘の行動を注意するのだが
お釈迦様の話を引用したりして
けちょんけちょんに言われまくるのである。
母である幸田文もなかなか厳しい。
だがユーモア もあって大好きな本である。
これが自分の親だったりしたらいやだなぁと
何度となく感じていたのだが
現在幸田文の『父・こんなこと』を読んでいて
こちらに書かれてある露伴はもっと難しい人で
本当に本当に娘であった文は大変だったろうと思った。
玉さんは孫だからなんとなくワンクッションあったかと
この『父・こんなこと』を読んで感じた。

で、現在進行形で読んでいたので、同行していた夫に
「ちょっと幸田露伴と文のお墓へ寄ってくる」
と言って手を合わせに行ったという次第である。

露伴のお墓を横に見てまず文子さんに手を合わせる。
「昨年から今年にかけてご縁があって文子さんの本
 3冊読んでます。現在『父・こんなこと』を読んでますが
 大変でございましたですねぇ、あのような父親じゃぁ。
 たまったもんじゃありませんねぇ。
 ご苦労なさったでしょうねぇ」
その後にくるりと振り返って露伴の墓に
「なかなか厳しかったですねぇ。
 しかし文さんは文章がうまいですね。
 えぇ、露伴さんの本は一行も読んだことないです」

あぁ、すっきりした、と本門寺の階段を降りていたら
なんとなく文子さんが
「あなた、父より先に私のお墓に手を合わせましたね」
という声が聞こえてきた気がした。
ゲッ、怒られてしまった。
文さん、やはり父上を敬愛されてます。

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