琴平駅を出て数十メートル歩き「げっ、寒いなぁ」
こういうとき、天気予報はなぜか当たるものだ。
白いものがちらほら落ちてくるではないか。
途中でリュックをおろし丁寧に着込み直す。
荷物は軽いが1368段、背負って登るか悩んだ。
まだ100段も登ったか登らないかあたりの参道に
「荷物預かります。杖貸します」
との看板の土産物屋がありふらりと入る。
「荷物預かってくださるというので・・・。
杖も貸してください、おいくらですか?」
90歳くらいにはなられているだろうか、
まぁ80歳はとうに超えていると思しき婦人。
「今からかね、4時ころには戻れるかね、
店は5時に閉めるけんね」
(って、まだ2時前だよ、だから大丈夫と思うよ)
「荷物そこらへん、そうさね、その椅子の上に置いてけ」
(って、ここで大丈夫か?)
「帰りにおみやげでも買うてってくれりゃいいけ。
そうさね、2000円ばかり土産、買うてってくれりゃ」
う~っ、駅のコインロッカーにしておけばよかった、
杖もどこかでは100円だったなぁと思いつつ・・・。
せっせと登りながら、
『しっかしまったくあか抜けない土産物屋だったなぁ、
だいたい何を売っていたか。高くつくなぁ』
とそんなことを考えていた、けち臭い、情けない。
ほとんどの方はこちらで引き返されます。
しかし私は奥社をめざす、1368段。
本宮から約30分かかった。ずっと雪に降られっぱなし。
奥社からの眺め。
四国は先の讃岐富士もそうだが、平地にポツンポツンと山がある。
私にとって山とは脈を成し、尾根がありというものだったから
このように古事記に書かれてあるような、
天で神様がどろどろしたものを平地に一滴一滴落とし
作られたような山はかなり新鮮な眺めとなった。
これらを車窓から、またこのように山頂から見ていると
これら一つ一つの山に神様がおられると
昔の人は考えたろうなぁと自然にそう思った。
奥社まではぁはぁ言いながら登り、
息も切れ切れお参りを終える。
正直、何をしに来たのだろう…と思わなくもなかった。
お土産屋さんのおばあちゃんとの約束もあるから
早く下山せねば。
0 件のコメント:
コメントを投稿