2019/12/15

音楽関連小説 2

間があいてしまった。
こちらも映画化された本「蜜蜂と遠雷」
直木賞と本屋大賞を取った、文庫本上下巻の大作です。
国際ピアノコンクールの様子を描いたものですが、
とにかくピアノ曲をこれほどまでに文章化したことに
ただただすっごいなぁと思わされるが
不謹慎にも、音楽の授業で「レコード鑑賞」とかなかったでしたか?
音楽を聴いて感想書くという。
あれの最たるものとも感じてしまった・・・。
しかし楽器を演奏する立場で一番共感した箇所がありましたよ。
文庫本では下巻の153~154頁。

『あの曲が弾きたい、あんなふうに弾きたい
 繰り返しレコードやCDを聴き、
 耳で覚えていた曲を初めて楽譜で目にする喜び
 自分の指から、知っているあの曲が生み出される感動
 そして、聴いている時にはあんなに簡単そうに思えたのに
 弾いてみるとなんと難しいことか
 自分が鳴らしているのは、似ても似つかぬボロボロの曲』
『やがて、少しずつ耳で聴いていた通りに弾けるようになってくる
 レコードで聴いた曲のように、形になってくる
 徐々に「歌う」ということが理解できるようになる』

本当にその通りでした。
だいぶ昔のブログに書きましたが、
私はギターをやりたくて始めたのでなく
ピアノをやめたくてギターに手を出した。
ピアノのレッスンをやめさせてくれないと思い、
他の楽器を始めて、ピアノはそのうち
フェイドアウトするようにおさらばと考えたのでした。
他の楽器、他の楽器・・・
ヴァイオリンはまわりにうまい人もいるし
そうそう弾けるようにはならないと思った。
とにかくピアノをやめるのが目的なので
手軽に始めて、そちらもフェイドアウトできるもの。
当時兄の友人がいつもギターを持ってきて演奏していた。
『これだな』と思う。
というかこれしか私には他の楽器がわからなかった。
ふだん物を欲しがらない子どもだったので
「ギター買って。ギター買って」
との連発に母は渋々ながらも買ってくれた。
適当にポロポロ音を出して
適当に放り出そうと思っていたら
母は先生を探し出してきてレッスンに行けと。
セゴビアの2枚組ベストアルバムも買ってきた。
『えっ、ギターも先生につくの?!』
がっくりだった、そこまで考えが及ばなかった。
しかたなくレッスンに通い、
学校から帰るとずっとセゴビアを聴き続けた。
聴いているうちに気に入った曲ができる。
その曲がいつも頭の中をめぐり、鼻歌に出てくる。
弾けるようになりたいなと思う。
はじめは「禁じられた遊び」習ったらやめようと思った。
それが意外とはやく弾けるようになってしまった。
ここでやめるのももったいないなぁと思い、
このレコードに入っているこの曲習ったら
ギターやめようと思うようになった。
それが魔笛であったり、アルハンブラだったり・・・。

そしてこの小説のこの部分ですね。
もうその連続だったなぁと思います。
耳にしたこの曲の楽譜が見てみたい!
という気持ちがかなり強かったかな。
だから勤め人になってお給料が入ると
銀座ヤマハへ寄って何か買って帰る。

そうねぇ、楽譜見るのが好きだったのかな。
CDかけながらその楽譜を目で追うの
結構好きかも。
長くなってしまったので、本日はおしまい。

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