先週の日帰り思い付きぶらりはときどきやります。
この日は熱海に降りましたけれど、
5~6年前の夏、同じように芦ノ湖へ行き、
わかさぎフライ定食を食べた後湯河原に降りたことがあります。
その日の体験が忘れられないので
先日久しぶりにやってしまったのですが。
その湯河原行きのバス、乗客は私一人でした。
大観山を通る椿ラインを降りていくのですけれど
バスならではの楽しさでした。
途中途中で流れるアナウンスで名所を教えてくれます。
「ここが大観山か」と横山大観由来を教えてくれる。
でもなにより私が感激したのは、
その道の細さ、くねくね度、それをあの大型バスで下るっちゅう。
対向車が来たらどうするのかなぁと思うくらいのドキドキ。
もう、とにかく運転手さんカッコイイと感激してしまった。
今度生まれ変わったら、このバスの運転手さんになろうと思ったくらいだ。
私は過去にも会津鉄道(だったと思う)の車窓からの美しさに感激し、
その時運転手さんに(この電車は運転手さんとお話しできたので)
「こんな素敵な中運転できるなんて、
運転手さんになりたい人多いでしょうねぇ」
とお話して、
「えっ? だったら、お客さん、なってくださいよ」
と冷めた返事をいただいたこともあるのだけれど
どうやら乗り物の運転手さんをうらやましく思うタチらしい。
話戻りまして、その湯河原へ降りた日、
ホームのベンチで本を読んで電車待ちをしていたら
杖をついた足の悪いお爺さんが隣にやってきて座られた。
夏も終わりかけていた日だっただけれど、
「あじさいの花がきれいですねぇ」と翁一言。
私は顔をあげ、あたりを見るもあじさいはない。
すると「あじさい、どれかわかりますか?」とおっしゃる。
「あそこの赤い花」と指だったか杖だったかで示された。
でもそれはあじさいではなかったので
「あれはあじさいでなく、芙蓉だと思います」と答えると
「そうですか」
するとひょこっと立ち上がり、元のほうへ歩かれた(と思う)。
私は再び本に目を戻したが、
「?」と思いその翁を目で追ったがどこにもいない。
足悪くて杖をついていたのに、そんなに早くどこへ?
もちろん上りも下りも電車は来てないから乗車することもない。
いったい翁はどこからきて、「あじさい きれいですね」
と言って、どこへ消えたのだろう。
この話、その当時のブログにも書いたのだけれど
この話を人にしたらば、おもしろい反応がありました。
「それ、あじさいでも芙蓉でもなく、ボケ」
とか「そのおじいさん、家ではふよう」とか。
いえいえ、それよりも消えたのよ、そのおじいさん。
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