2019/04/22

はじめましての一人旅

先日のひとり温泉の日、私自身が楽しい一日を過ごしたわけですけれど
夕方からレッスンしてまして、実はもっとうれしいことがありました。

この春高校2年生になった男子生徒S君。
「お土産です、東北ひとりで行ってきました」って。
このS君ですけれど1年前の春休みを利用して
ホームステイでオーストラリアへ行ったのだけれど
その経験・体験が大きく彼を動かしました。

彼との付き合いは何年になるかしら?
詳しくは書けませんが、中学時代の反抗期もあっただろうし
(私に対してということでなく、一般的にまわりに対して)
受験の苦しい時期もありました。
話を聞かないまでも、レッスン場での表情やギターの音でわかる。
それが晴れて高校進学が決まり、2週間の海外。
そしてこの1年、私もいろいろな話を彼にしました。
そのなかには旅の話も多かったと思う。
S君の気難しそうな中学校時代の表情とはまったく変わりました。
とにかく私の旅の話はいつも目を輝かせて聞いてくれていた(と思っている)
それでやってくれたのねっ! 今年の春休み!

いやぁ、うれしかったです、心底。
青春18きっぷ買って、ず~ぅっと鈍行乗り継いだって。
いろいろ聞きたいことあったけれど
ほれ、一応ギター教室ですからさぁ、ギター弾かないとね。
それで「では今回一番印象に残ったことを1分でどうぞっ!」
ちょっと考えてから宿泊した旅館のご主人から伺った震災の話。
宿泊は松島あたりだったのでしょう。
ご存知のような地形、島の多さで大きな被害を免れたと。
ボランティアの人たちもたくさん来てくれたとか。
そんな話をしてくれました。
鈍行の旅の大変さは学習になったようで
「今度やるときには時間のことよく考えるようにしたい」って。
よしよし、よくやった。本当によくやってくれました。
「先生も実は今日ひとりで日帰りプチ旅してたのよ。
 だから泊りでなくても日帰りで下田に行くとか、房総とかやってよね。
 今日先生は十分楽しい一日と思っていたけれど、
 今のS君のことが一番うれしかったわ、よかった、よかった」

このことを近いうちに書こう書こうと思っていたら
4/13日経夕刊の木ノ下裕一氏のコラムで
はじめての一人旅のこと、それが何年経った今でも
体感として強烈に残っていると書かれていた。
『それはきっとどれも“はじめまして”の感覚で出会ったからだ』

S君の東北一人旅、半日かけて大船から仙台へ行ったこと。
震災を体験した方のお話。
どれも彼には“はじめまして”の出来事だっただろう。

コラムでは『成長するということは、経験を積むということだが、
同時にこの世界から“はじめまして”が減っていくことでもある』
そう、チコちゃんでも以前やっていましたが、
大人にになると時間が早くすぎていくのはときめきがなくなるから
というのがありましたけれど、ときめきもそうだけれど
新鮮なことがなくなってしまって、毎日が同じようになるの。
だから毎日同じような日々の私は、ちょっとでもめずらしいものや
新しいことがあったら、純粋に喜びたいといつも思っています。

そんなわけで、ふだん頂き物の写真はブログ掲載しないのですが
これは私のうれしかった記念なので。
ごちそうさま、ありがとうございました。

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